結論から言うと、「失業保険」は法律上の正式名称ではなく、雇用保険の「求職者給付」のうち中心となる「基本手当」を指す一般的な通称です。定年・倒産・契約期間満了・自己都合など、さまざまな理由で離職した方が、生活の心配をせずに次の仕事を探せるようにするための給付金で、年齢・給与・雇用保険の加入期間などを入力すれば、失業保険(基本手当)シミュレーターで受給見込み額のおおまかな目安を試算できます。
「失業保険」は通称、正式には雇用保険の給付の一部
日本の公的制度としては「雇用保険」があり、その中に「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」などいくつかの給付の種類があります。一般に「失業保険」と呼ばれているものは、このうち求職者給付の中心的な給付である「基本手当」を指しています。日常会話や求人・転職関連のメディアでは「失業保険」「失業手当」という言葉が広く使われていますが、ハローワークの公式資料では「雇用保険の基本手当」という表現が使われる点を押さえておくと、制度を調べる際に混乱しにくくなります。
何のための制度か
厚生労働省・ハローワークは、基本手当の目的について、労働者が失業した場合に、求職活動中の生活の安定を図りながら、一日も早く再就職できるよう支援するための給付であると案内しています。定年退職・倒産・解雇・契約期間の満了・自己の都合による退職など、離職の理由はさまざまですが、いずれの場合も「働く意思と能力があるのに職に就けない状態」にある方が対象になります。逆に言えば、病気やけがですぐに働けない場合や、家事に専念して求職活動をする予定がない場合などは、そもそも失業の状態に該当しないため、基本手当の対象にはなりません。
誰が対象になるのか
基本手当を受け取るには、雇用保険の被保険者であったことに加え、一定の受給資格要件を満たす必要があります。代表的な要件は、離職前の一定期間に雇用保険に加入していた月数(被保険者期間)です。倒産・解雇等による離職や、雇止め等による離職では要件が緩和される仕組みになっており、離職理由によって必要な加入期間が異なります。この受給資格要件の詳細は、次の記事で詳しく解説します。
支給される金額と期間の考え方
基本手当としていくら・何日分受け取れるかは、大きく分けて「基本手当日額」(1日あたりの金額)と「所定給付日数」(何日分支給されるか)の掛け算で決まります。基本手当日額は退職前の賃金水準から、所定給付日数は年齢・雇用保険の加入期間・離職理由から、それぞれハローワークが定める基準にもとづいて算定されます。また、退職してすぐに振り込まれるわけではなく、待期期間や、自己都合退職の場合は給付制限期間を経てから支給が始まる点にも注意が必要です。
まとめ
「失業保険」は雇用保険の求職者給付における「基本手当」の通称であり、離職後の生活を心配せず再就職活動に専念できるようにするための給付金です。受給できるかどうか、いくら・いつからもらえるかは、離職理由・年齢・雇用保険の加入期間・退職前の賃金によって変わります。ご自身の状況を入力すれば、失業保険(基本手当)シミュレーターで受給見込み額の目安を試算できます。
出典: ハローワークインターネットサービス 雇用保険制度の概要、ハローワークインターネットサービス 基本手当について本計算は参考情報です。実際の受給額・給付日数・受給開始時期は、雇用保険の受給資格決定・離職理由の認定・賃金日額の算定方法等により、ハローワークの決定内容と異なる場合があります。障害者等の就職困難な方向けの所定給付日数(別体系)には対応していません。給付制限期間は、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)等の例外規定を簡易化しています。雇用保険制度は改正される場合があるため、最新の制度内容はハローワークにご確認ください。