結論から言うと、退職の経緯が倒産・解雇・雇止め・ハラスメントなどに該当する場合、「特定受給資格者」または「特定理由離職者」として扱われ、給付制限がなく、所定給付日数も優遇される場合があります。離職票に記載される離職理由がどちらに区分されるかによって、受給開始時期や総受給額が大きく変わることがあるため、心当たりがある方は早めに確認しておくとよいでしょう。ご自身の離職理由を踏まえた受給見込み額は、失業保険(基本手当)シミュレーターで試算できます。
特定受給資格者に該当する主なケース
ハローワークインターネットサービスによると、特定受給資格者に該当する主なケースには、倒産・解雇等(重責解雇を除く)による離職、労働条件が採用時の説明と著しく相違していた場合、賃金の未払いがあった場合、賃金が大幅に低下した場合、長時間の時間外労働があった場合、ハラスメントが行われ会社が適切な対応をしなかった場合、更新の明示があったにもかかわらず雇止めされた場合、退職勧奨を受けた場合(早期退職優遇制度への応募を除く)などが挙げられています。
特定理由離職者に該当する主なケース
特定理由離職者に該当する主なケースには、契約期間が満了し、本人が更新を希望したにもかかわらず更新されなかった場合、体力の不足や心身の障害・疾病等により離職した場合、妊娠・出産・育児等により離職した場合、家族の看護・介護のために離職した場合、配偶者との別居を避けるために離職した場合、通勤が困難になったために離職した場合、早期退職優遇制度に応募しない形での希望退職者募集に応募した場合などが挙げられています。
該当するとどう変わるのか
特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合、自己都合退職とは異なり給付制限期間がなく、待期7日間の後すぐに基本手当の支給対象になります。また、所定給付日数についても、通常の自己都合退職より優遇されるケースが一般的です。給付制限期間の仕組みについては、別記事で詳しく解説しています。
判断に迷ったらハローワークに相談する
離職理由の区分は、最終的には離職票の記載内容をもとにハローワークが判断します。「雇止めのつもりだったのに自己都合として扱われている」「ハラスメントが原因なのにそう伝わっていない」といった食い違いに気づいた場合は、そのままにせず、離職票を受け取った段階でハローワークの窓口に相談することをおすすめします。
離職票の記載内容は事前に確認しておく
離職票が届いたら、離職理由の欄にどのように記載されているかを必ず確認しましょう。会社側の認識とご自身の認識が食い違っている場合、その場で異議を申し立てられる仕組みが用意されています。離職理由の区分によって給付制限の有無や所定給付日数が変わるため、内容に納得がいかないまま手続きを進めてしまうと、後から不利益に気づいても取り返しがつきにくくなる場合があります。
まとめ
倒産・解雇・雇止め・ハラスメント・妊娠出産育児・家族の介護など、退職の経緯によっては特定受給資格者・特定理由離職者に該当し、給付制限なし・所定給付日数の優遇といった扱いを受けられる場合があります。ご自身の退職理由に心当たりがある場合は、離職票の記載内容を確認し、疑問があればハローワークに相談してください。
出典: ハローワークインターネットサービス 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要本計算は参考情報です。実際の受給額・給付日数・受給開始時期は、雇用保険の受給資格決定・離職理由の認定・賃金日額の算定方法等により、ハローワークの決定内容と異なる場合があります。障害者等の就職困難な方向けの所定給付日数(別体系)には対応していません。給付制限期間は、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)等の例外規定を簡易化しています。雇用保険制度は改正される場合があるため、最新の制度内容はハローワークにご確認ください。