結論から言うと、失業保険の求職の申込みをした後に、病気やけがのために15日以上引き続き職業に就けない状態になった場合には、基本手当の代わりに「傷病手当」という給付を受けられる場合があります。基本手当は「働ける状態にあるのに職が見つからない」ことを前提にした給付のため、病気やけがで働けない期間は原則として対象外になりますが、その空白を埋めるための制度が傷病手当です。退職後に体調を崩してしまった場合でも、傷病手当の仕組みを知っておけば、収入が完全に途絶えることを避けられる可能性があります。ご自身の基本手当の見込み額は、失業保険(基本手当)シミュレーターで試算できます。
傷病手当の支給要件
ハローワークインターネットサービスによると、傷病手当は、離職後に求職の申込みをした後、15日以上引き続き疾病または負傷のために職業に就くことができない場合に支給されます。逆に言えば、病気やけがの期間が14日以内であれば、傷病手当ではなく通常の基本手当の対象のままになります。
支給額は基本手当と同額
傷病手当の日額は、基本手当と同じ金額です。つまり、病気やけがで基本手当を受け取れない期間についても、実質的に同水準の給付が受けられる仕組みになっています。基本手当日額の計算方法については、失業保険(基本手当)シミュレーターで試算できます。基本手当日額は、離職前の賃金水準や年齢に応じて決まるため、傷病手当として受け取れる日額も人によって異なります。
30日以上働けない場合は受給期間の延長も検討する
病気やけがで30日以上働くことができない場合には、傷病手当とは別に、基本手当の「受給期間」そのものを延長できる制度があります。受給期間の延長については、最大4年まで延長できるとされており、詳しくは別記事「失業保険の受給期間の延長(傷病・妊娠出産等)」で解説しています。傷病手当と受給期間の延長は、それぞれ別の制度として理解しておくとよいでしょう。病気やけがの期間が短ければ傷病手当、長期化する見込みが高ければ受給期間の延長というように、状況に応じて使い分けるイメージを持っておくと制度全体が把握しやすくなります。
手続きはハローワークで行う
傷病手当を受けるには、ハローワークへの申告や、医師の証明などの手続きが必要になります。体調不良やけがで求職活動を続けられない状態になった場合は、自己判断で諦めずに、まずは管轄のハローワークに相談することをおすすめします。
求職活動ができない期間の考え方
失業保険は、働く意思と能力があるにもかかわらず職が見つからない状態を対象にした制度です。病気やけがで一時的に働けない状態になると、この「働く能力がある」という前提から外れてしまうため、通常の基本手当ではなく傷病手当という別の枠組みで対応する仕組みになっていると理解しておくとよいでしょう。体調が回復し、再び求職活動ができる状態に戻った時点で、通常の基本手当の受給に戻ることになります。
まとめ
傷病手当は、求職の申込み後に15日以上引き続き病気やけがで働けなくなった場合に、基本手当と同額の日額で支給される制度です。14日以内であれば通常の基本手当の対象のままとなり、30日以上働けない場合は受給期間の延長もあわせて検討できます。具体的な手続きは管轄のハローワークに確認してください。
出典: ハローワークインターネットサービス 基本手当について本計算は参考情報です。実際の受給額・給付日数・受給開始時期は、雇用保険の受給資格決定・離職理由の認定・賃金日額の算定方法等により、ハローワークの決定内容と異なる場合があります。障害者等の就職困難な方向けの所定給付日数(別体系)には対応していません。給付制限期間は、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)等の例外規定を簡易化しています。雇用保険制度は改正される場合があるため、最新の制度内容はハローワークにご確認ください。